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堀内恒夫投手のカーブ

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プロ野球でV9を成し遂げた読売巨人軍の右腕のエースと言えば堀内恒夫投手でしたね。当時のテレビカメラは主審の背後からの視点でしたから、バッターの気分になったものです。で、右バッターの気持ちになってみて、バッターにぶつかってくるんじゃないかというくらいに、バッターの肩口から入ってくる大きなカーブが堀内投手の十八番でした。 いまは、わたしには当時の詳細な投球条件を知る由もありませんが、せっかく投球およびバッティングのシミュレーターがあるのですから、右バッターの肩口から入ってくるカーブを再現してみました。 投球条件としては、肩を中心にして腕が真上から10度傾いた上手投げ、球速は145km/h、ボール回転数は45r.p.s、腕のラインから45度傾いた軸で回転を与えます。 結果は以下の通りです。各図にはライト方向への打球の軌跡も含まれていますのでその点をご留意の上でご覧ください。 最初の図は俯瞰図です。ストライクゾーンに投げられた投球の軌跡を見ることができます。 次は平面図、すなわち、真上からみたものです。投球全体を見たものとホームベースの部分を拡大したものを掲載します。上方から見ると、曲がりはこんなものかとも感じますね。 次に、右側面図、すなわち、真横からの視点です。ちょっと浮きあがったボールが落ちていく様子がわかります。 では、いよいよ、主審の背後からの視点です。いかがでしょうか。見事に右バッターの肩口から入って、おおきくカーブしながら落ちてきますね。こんなボールを投げられたのでは、思わず、身体を逸らせてしまいますね。 最後に、実際のグラウンドで見てみます。打球はライトフライになったでしょうかね^^

大谷選手のスウィング速度と打球速度

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 インターネット上の記事には、大谷選手の打球速度が190km/hを越えたという記事を散見します。ここでは、日経新聞の「大谷翔平、驚異のバットスピード 強打者でもトップ級」(2022年3月28日 5:00 スポーツライター 丹羽政善) https://www.nikkei.com/article/DGXZQODH270I00X20C22A3000000/ の記事を参考にして、大谷選手のスウィング速度と打球速度について考察してみます。 上記の記事には **************************************** さて、ロックアウトの影響により、例年よりおよそ1カ月遅れで始まったキャンプも2週間が経過したが、14日のキャンプ初日にエンゼルス球団から配信された大谷の打撃練習の映像を見ていて驚いた。 大谷が打つたび、スタッフが数字を読み上げる。「83.5、83.8、80.8 、81.3、82.4 、80.2 、79.1……」 このとき大谷は、バットスピードのほか、アタックアングル、スイング軌道を可視化するブラストモーションというデバイスをグリップエンドにつけて打っていた。この数字はバットスピードのものであると容易に想像がつき、大谷が「速い?」と聞き返していたが、速いなんてものではない。 **************************************** とのバットスピードについて記述されています。打撃練習中のことですから、実際にボールを打った場合のバットスピードですから、実際の試合でのバットスピードを想定できます。数字はマイル/hでしょうから、時速で言えば130km/h程度です。 そこで、投球速度145km/h、スウィング速度130km/hでのホームラン性の打球をシミュレートしてみました。投手は右投げ、打者も右打ちです。打球は130m以上の飛距離がありました。また、インパクト直後の打球速度は196km/hとなりました。 大谷選手はこんな打球を放っていたのでしょうね^^ ちなみに、トスバッティングでスウィング速度を測定したらしい記事 【全国スイングスピード選手権】ベスト10入り選手達のスイング振り返り https://timely-web.jp/article/1989/ には1位に高校生で165.8km/hなんてのが掲載され...

フライボール革命

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 NLABO.BIZで解析する打球では白いラインと黄色いラインがあります。白いラインは、バットスウィングを水平にした場合で、黄色いラインは、5度から10度程度のアッパースウィングをしたものです。近年、野球界ではフライボール革命といって、アッパースウィングが流行っていますが、シミュレーション結果も、アッパースウィングした場合のほうが、飛距離がでることがわかります。実際には、バットを重力に逆らってアッパースウィングするのにはかなりのパワーが必要です。また、インパクトの際に、ボールのどの位置にバットを当てるかによって、打球飛跡は異なります。解析は、投球からバッティングまで連続した3次元解析を行っていますので、打球の回転に依存して、打球が水平方向に逸れていくような計算もなされています。サンプル画像を以下に示します。投球速度およびスウィング速度のいずれも130km/hです。 NLABO.BIZ代表 長島慎二 http://nlabo.biz/ball_net_biz/

江川卓投手の球速

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 江川卓選手の時代はスピードガンでの球速の測定はバッターに近い位置での終速度であるとののネット上の記事がありました。比較して、現在は投手が投げた瞬間の球速(初速度)を測定しているようです。当然、終速度は初速度より落ちることになります。 確かに、江川選手の全盛期、テレビで表示されていたのは145km/hぐらいであったかと思いますので、そんなもんなのかなあと不思議でした。 そこで、NLABO.BIZのシミュレーションにより、初速度と終速度の比較を行ってみました。ちなみに、シミュレーションではオーバーヘッドストレートでボール回転数は2100r.p.mです。驚きますね。もし、江川が投げたボールの145km/hが終速度であったとしたら、現在の表示では165km/hということになります。ちなみに、初速度が大きい方が速度差が多きいのは、空気抵抗が速度の2乗に比例して大きくなってしまうからです。 参考に、投球速度が130km/h、140km、150km/h、165km/hの球筋を以下に示します。図では下から順番になっています。 150km/h以下は回転数が2100r.p.m.、165km/hは江川の投げた条件を想定して2750r.p.m.にしました。驚くことに130km/hと比較して165km/hではホームベース上で50cmも上方にあります。これじゃあ打てないわけですね^^ 本記事は論文ではありませんので、ネット上の記事のURLや詳細な計算条件を示しておりません。シミュレーションに関して興味のある方は以下のWebサイトをご覧ください。 NLABO.BIZ代表 長島慎二 http://nlabo.biz/ball_net_biz/

ドジャースタジアムは広いなあ

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 初めに大切なことですが、今回の記事にはGoogle Earthの画像を用いています。Google Earthは非商用の範囲での用途です。この画像を商用で2次利用することはできません。打球データはhttp://NLABO.BIZが著作権を持っています。 NLABO.BIZがシミュレーションをし所有している打球データをドジャースタジアムで再現してみました。投球速度150km/h、スウィング速度は130km/hです。ああ、ドジャースタジアムは内野席が広いなあと思います。 それではということで、みんな知っている甲子園球場です。流石に大きな球場ですね。 ついでに、わたしが住んでいる仙台にある楽天モバイルパークです。これまでの球場と比較するとちょっと小さいかなあ。 最後に、花巻東高校のグラウンドです。投球速度130km/h、スウィング速度は120km/hにしてみました。おそらく高校などに設置されているグラウンドは基本的に観客席はないでしょう。特に内野側は、ファールになる範囲が狭く、フェンス十分な高さが無く、しかも、フェンスの外側には主要地方道が走っていたり、建物があったりということが多いのではないでしょうか。花巻東高校の場合は、レフト側には芝生の空地がありますね。工夫しているのですね。 NLABO.BIZ代表 長島慎二 http://nlabo.biz/ball_net_biz/

ホームランの技術

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 投球およびバッティングのシミュレーションをしてみると、ホームランを打つ打者の技術が如何に優れたものであるかがわかります。例として、投球145km/h スウィング速度130km/hのホームラン打球をもとにして、ほんの少しバッティングの条件を変えただけでホームランにならないシミュレーション結果を紹介します。投球およびスウィングの条件は詳細を省いて、条件の異なる打球との比較を3種類紹介します。 はじめは、インパクト位置の違いです。IPというのはホームベースの投手側のへりの位置からインパクトをした位置までの距離です。以下の図をご覧ください。ホームランが出る条件より、10㎝食い込まれるとホームランが出ません。ちなみに、シミュレーション結果では、投球速度145km/hのボールはインパクト位置で128km/hにまで球速が落ちていました。それでも、10cmの違いは時間で言えば0.003秒以下の違いなのです。すなわち0.003秒スウィングが遅れただけでホームランは出ないということです。 次にボールがバットに衝突する周方向位置θの違いです。θ=0°というのはバットの最上面にボールがかする場合で、θ=90°以上ではバットの下部にボールが衝突するという条件です。ご覧のようにθ=55°ではフライが高く上がりすぎ、逆にθ=75°では打球の弾道が低すぎます。 最後に、スウィング速度自体を変化させてみました。ボールがバットと衝突している時間は0.1秒程度と言われますが、わずかな時間であっても、バットはボールとの衝突により運動量が変化しますので、投球速度が速いほど、バットを十分な速度で振りきることは困難になります。シミュレーションでは、あくまでも設定した速度でバットを振り切った場合の計算がなされています。以下の例ではスウィング速度が125km/hや120km/hではホームランにはならないことを示しています。 ちなみにシミュレーションの例として使用しているグラウンドは「ウェルファムフーズ森林どりスタジアム泉」の愛称がある東北楽天イーグルス泉練習場(〒981-3137 宮城県仙台市泉区大沢1丁目4-1)を参考にしています。ライトおよびレフト方向が 101m、センター方向 123m、フェンスは内野30m、外野 15mです。 いかがでしょうか。力いっぱいバットを振れば、たまにはホームラン性の打球を...