ホームランの技術

 投球およびバッティングのシミュレーションをしてみると、ホームランを打つ打者の技術が如何に優れたものであるかがわかります。例として、投球145km/h スウィング速度130km/hのホームラン打球をもとにして、ほんの少しバッティングの条件を変えただけでホームランにならないシミュレーション結果を紹介します。投球およびスウィングの条件は詳細を省いて、条件の異なる打球との比較を3種類紹介します。


はじめは、インパクト位置の違いです。IPというのはホームベースの投手側のへりの位置からインパクトをした位置までの距離です。以下の図をご覧ください。ホームランが出る条件より、10㎝食い込まれるとホームランが出ません。ちなみに、シミュレーション結果では、投球速度145km/hのボールはインパクト位置で128km/hにまで球速が落ちていました。それでも、10cmの違いは時間で言えば0.003秒以下の違いなのです。すなわち0.003秒スウィングが遅れただけでホームランは出ないということです。



次にボールがバットに衝突する周方向位置θの違いです。θ=0°というのはバットの最上面にボールがかする場合で、θ=90°以上ではバットの下部にボールが衝突するという条件です。ご覧のようにθ=55°ではフライが高く上がりすぎ、逆にθ=75°では打球の弾道が低すぎます。



最後に、スウィング速度自体を変化させてみました。ボールがバットと衝突している時間は0.1秒程度と言われますが、わずかな時間であっても、バットはボールとの衝突により運動量が変化しますので、投球速度が速いほど、バットを十分な速度で振りきることは困難になります。シミュレーションでは、あくまでも設定した速度でバットを振り切った場合の計算がなされています。以下の例ではスウィング速度が125km/hや120km/hではホームランにはならないことを示しています。

ちなみにシミュレーションの例として使用しているグラウンドは「ウェルファムフーズ森林どりスタジアム泉」の愛称がある東北楽天イーグルス泉練習場(〒981-3137 宮城県仙台市泉区大沢1丁目4-1)を参考にしています。ライトおよびレフト方向が 101m、センター方向 123m、フェンスは内野30m、外野 15mです。

いかがでしょうか。力いっぱいバットを振れば、たまにはホームラン性の打球をとばすことはできるかも知れません。しかし、大谷選手のようにホームランを量産するというのは、驚異的な技術があってのことであることがわかりますね。そして、投手にとって最重要であることは球速であることがわかります。球速が大きいほど、打者は高い技術が求められるだろうからです。

NLABO.BIZ代表 長島慎二
http://nlabo.biz/ball_net_biz/






コメント

このブログの人気の投稿

今永昇太投手の投球回転数

クアーズ・フィールド

中田翔内野手の札幌ドーム天井直撃打